生きづらさを解消するのに、どうして親子関係を扱うの?

こんにちは、生きづらさを〈生きやすさ〉に変えるサポートをしています、
リトリーブサイコセラピー協会公認心理セラピスト ひがしさやか です。

先日、リトリーブサイコセラピー協会でワークショップを開催しました。
講師は藤本あやさん。
テーマは共依存について。
参加されたみなさんの気づきの言葉が印象的でした。

ワークショップの模様はこちらから

あやさんの講座は温かくて癒しがあって、私も好きです。
今回はサポート側でしたが、私も勉強になりました。

次回のイベントは4月を予定。
のちほど、ご案内しますね。

さて、今日のテーマです。

「生きづらさを解消するのに、どうして親子関係を扱うの?」

というお話をしますね。

リトリーブサイコセラピーの心理セラピーでは、親子関係を扱っています。
中でも、幼少期の親との関係をみていきます。

(どうして、親子関係が今抱える問題につながってるのかな…)

って、実は私、1年くらいは訳もわからないまま、セラピーを受けてました。
私の場合は、それ以外の問題じゃないだろうか?と結構長く疑ってもいたんですね(笑)

私のように、親子関係を洗い出すことに対して、抵抗を感じる方って少なくないと思うんです。

一つは、育ててくれた親に対する罪悪感からです。

「親の育て方が悪かったんだ!」
って、他責な感じがして、私はそんなのは情けないと感じていました。生まれつきの資質のせいで自分が悪いのであって、親は関係がないと思ってたんです。

また、どんなに子どもにとって心が傷つくような家庭環境でも、そこは愛着や親しみを感じる場所です。(歪んだ形にしろです)
そこにくさびを打ち込むのに、怖さや抵抗を感じるのは当たり前なんです。

親子が対立するために扱うのではない

セラピーでは、空のイスに家族のメンバーをイメージで入れていくエンプティチェアの手法を使っています。

こんな風にやります。

ーその気持ちを感じてる時、この空間に家族がいるとしたら、誰がどの距離に、どこを向いて、どんな表情で座ってますか?

これは、何をしているかというと…自分の脳内イメージを、可視化してるんです。「個人的」な頭の中の体験を、再現してるんですね。

体験て、同じ空間にいて、同じ経験をしても、人によって感じたり、記憶に残ることって違います。

再現された脳内イメージ「その時、その瞬間、どう受け取って、どう感じて、どんな意味合いに捉えたか」はその人が体験したことで、主観的なものです。

客観的事実と必ずしも合致しているとは限らないんですね。

でもそれでいいんです。
今感じている生きづらさを軽くするためのワークとして、家族関係を扱います。

決して、親の人格を否定するものではないし、ましてや、現実の親と対立したり、攻撃するためにあるのではありません。

もちろん、ある時期は、親への恨みや、怒りが湧きだすこともありますし、対立を感じることはあります。それも回復へのプロセスとして、とても大事なことです。

でも、どこまでも自分の回復のために〈主観的な体験を癒していくこと〉が大切だから、家族関係を扱っているんですね。

前提として知っていて欲しいなと思います。

どうして幼少期の親子関係なの?

人は、5歳までの周囲との関わりを通して、人格形成の土台や生きるすべを身につけていきます。

「私は大切な存在だ」
「何もできなくてもここにいていい」
「私は誰かを喜ばせなければ、生きてちゃいけない」
「いい子でいなくちゃ、見捨てられる」
「私は生きる価値のない人間だ」
「私は人から嫌われる存在だ」


こういった価値観もこの時期に作られます。

5歳以降は、身につけた価値観を、強化して生きていきます。
価値観が定着すると、それを証明するために行動したり、価値観をくつがえすようなことがあっても受け入れにくくなります。

ー例えば、頭でいくら「私は愛される存在」と思い込もうとしても、身につけてきた価値観が「私は人から嫌われる存在」だとすると、人に近づくのを恐れたり、自分に対して肯定的なイメージが持てません。むしろ無意識に人から嫌われるように行動してしまったり、どんなに「好きだよ」と好意を示されても疑いを感じて素直に受け取ることができません。

この価値観は成長するに従って、無意識に仕舞い込まれていき、自分でも自覚するのが難しいことがほとんどです。

なので、セラピーでは幼少期に遡って、その価値観を身につけた原体験を見にいきます。

5歳までの環境や、養育的立場の人との関係が重要なんですね。
だから、幼少期の親子関係にフォーカスを向けています。

愛?があっても…不適切な養育が子どもの脳を傷つける

親が良かれと思ってやってきたことが、子どもを傷つけることになっていたというのは、よくあることです。
それが今現在抱える問題や、生きづらさにつながっています。

最近では「マルトリートメント(不適切な養育)」として、友田明美先生が「子どもの脳を傷つける親たち」という著書を発表して警鐘を鳴らしています。

不適切な養育 とは、子どもの心と身体の健全な成長・発達を阻む養育のこと。大人に加害の意図があるかどうかに関わらず行為そのものが、不適切であれば、マルトリートメントです。

虐待とほぼ同じ意味ですが…「虐待」というと誰が見てもわかりやすい残虐で、テレビなどでセンセーショナルに扱われる身体的暴力などを連想しやすいですが、それだけではなく、しつけの一環として行われる行為など、広範囲に及ぶ、子どもを傷つける関わりのことです。

つまり、全く関係のない別世界のお話ではなくて、日常的に起こりうる関わりの中に、心を傷つけ発達を阻害してしまう原因が潜んでるんですね。

子どもは親が大好きです。

どんなに理不尽な扱いを受けても、傷ついても、そこに愛情を見出すのが子どもです。愛情がないと子どもは生き延びられないから。

親も子も、愛情だと信じてきた行為が、本当は間違っていたり、自分を生きづらくさせるものになってきたかもしれないことに気づいて欲しいと思っています。

気づくことは辛いことかもしれないけれど、その先に本当の意味での心の回復があります。

「不適切な養育」ってどんなこと?

では、具体的にマルトリートメント(不適切な養育)ってどんなものなのでしょうか。
代表的なものをここにあげていきますね。

身体的マルトリートメント

・身体の暴行(殴る・蹴る・物を投げつける・物で叩くこと)
・体罰(教育の一環、しつけとして肉体的に苦痛を伴う罰を与えること)

大人から子どもへの暴力は、殺されるほどの恐怖を脳に刻んでしまいます。
また、理不尽な扱いに対する悔しさ、恥ずかしさ、屈辱感、自己否定感を持ちます。

人に近づけない、威圧的な人が苦手、暴力シーンが苦手、人が近づくと身を縮めたくなる、突然過去の記憶のフラッシュバックが起こる、自分は価値がないと感じる、死にたくなる、自分を傷つけたくなる、いじめに遭いやすい、リラックスできない、現実感がない、などの問題を感じやすくなる可能性があります。

性的マルトリートメント

・身体を触る
・性行為の強要
・ポルノグラフィを見せる
・裸の写真を撮る
・性行為を見せる

自分は汚い・恥ずかしい存在だと感じる、大人になっても性的虐待などに遭いやすい、わざと自分を粗末に扱う行為をする、人に近づくのが怖い、異性に近づけない、異性に恨みを持つ、性行為がないと人と繋がれない、解離性人格障害、自殺願望、自傷行為、自分の感覚が曖昧などの
問題を抱える可能性があります。

ネグレクト(育児放棄)

・必要な世話をせずに子どもを放置しておく(お風呂に入れない、食事をさせない、服を着替えさせない、予防接種を受けさせない、病院に連れて行かないなど、子どもの健康を守らない)
・放任(子ども自身の力で安全な環境が保てない内に、その責任を放棄する)
・スキンシップを取らない
・子どもが泣いても無視する
・子どもの話しを聞こうとしない

目と目を合わせ、温もりを肌で感じながら、笑顔を交わすような関わりが子どもには必要です。それが成長や発達を促し、安心安全の感覚が育まれます。

自分はいらない存在だと感じる、感情が薄い、自分の輪郭が曖昧、集団に入れない、人の目が怖い、目立つのが怖い、対人恐怖、コミュニケーションが苦手、人に近づけない、などの問題を抱える可能性があります。

精神的マルトリートメント
(心に傷を与え、自尊心を侵害する行為)

・「バカだ」「クズだ」など蔑む、差別や脅し、罵倒を繰り返す
・「生まれてこなきゃよかった」「何をやらせてもダメ、死んだほうがまし」など、存在そのものを否定する言葉を浴びせる
・兄弟を比較する
・片親が一方の親を中傷する、愚痴を子どもに聞かせる・祖父母が両親を悪く言う
・「だからあんたはダメなのよ」など、子どもの人格を否定する
・「もっとできるでしょ」「こんなこともできないの」「満足しちゃダメ」など、子どもの頑張りを親が否定する

幼い子どもにとって、親から否定されることは、命を否定されることに匹敵します。身体も心もショックを受けて、傷つきます。
子どもは親の承認があってこそ、健やかに育ちます。

自己否定感・無力感を抱えやすい、人に近づけない、対人恐怖、人の顔色を伺う、頑張りすぎる、死にたくなる、人と競おうとする、人の承認がないと安心できない、何をやっても無価値感が消えない、人を信用できない、警戒心が強い、などの問題を抱えやすくなります。

面前DV(両親間のDVを目撃させる行為)

・両親の喧嘩を目撃する
・片親が殴られているのをみる
・両親が罵倒しあっているのをみる

暴言・暴力の被害に直接あっていなくても、それを目の前で見せられ、聞かされるだけで子どもの心は傷つきます。なかでも言葉の暴力を耳にするのが、最も脳にダメージを与えてしまうという研究結果があります。

リラックスができない、罪悪感・無力感・自己否定感を抱えやすい、大きな声が苦手、人の争う声が怖い、人に近づくのが怖い、人を信用できない、集団が苦手、恋愛・結婚への恐怖、DVの加害者や被害者になりやすい、などの問題を抱える可能性があります。

※マルトリートメントについての記載は、
「子どもの脳を傷つける親たち」友田明美著を参考にしました。
及ぼす影響や抱える問題については、私個人の見解が含まれています。

終わりに

日常的な関わりの中に潜む、マルトリートメント。

幼少期の家族との関わりの中での、心の傷を癒していくことが、今現在抱えている問題への解決につながっていきます。

誰かを加害者や被害者にするためのものではなくて、自分の内側の生きづらさに気づくための手がかりにして欲しいなと思っています。

そして、丁寧に自分の心に向き合うことが解決への近道です。

では、解決するためには、実際に、どんなアプローチをしたらいいの?
…そんな疑問にお答えするため、4月に1DAYセミナーを開催します!

たくさんの気付きがある場になればと思っています。

愛着が安定すると人生が変わる!

東京1DAYセミナー
2020年4月29日(祝)開催!!

垣内満寿美藤本あや、ひがしさやか
3人の公認心理セラピストたちが「愛着障害」をテーマに、
リレーセミナーを行います。

セミナー後半は
リトリーブサイコセラピーのオープンセッションもご覧いただけます。

この記事が良かったら、いいねして
最新記事をチェックしてください!

Twitterで